ヒンドゥー社会における牛は、ヒンドゥー教のラクシュミ神と関わりの深い神聖な動物として考えられています。また、人間を保護する母性的な存在として、昔からみなされています。インドのヒンドゥー教徒は、牛を無私の寛大さの象徴として、尊敬の念を抱いています。牛の屠殺は、インドのほぼすべての州で法的に禁止されています。
インドは歴史的に農業を基礎とする社会で、主な宗教はヒンドゥー教です。ほとんどの人々は菜食主義者で、牛乳・バターカード(バタースプレッド)は重要な栄養源でした。数世紀前、インドの人々にとって、牛は最も役に立つ動物でした。
牛乳だけでなく、牛の糞は、おそらく一番の植物への肥やしであり、蚊の防虫剤の役割を果たします。乾燥した牛の糞は、とても良い燃料になります。また、乳牛・雄牛の身体的な強さは農業器機を引くために役立ちました。西洋で農耕時に馬が使われるように、インドでは牛が使われました。
牛の糞は、大抵土壌の寝わらや尿と合わさり、肥やし(農業用肥料)としてしばしば使われます。牛の糞は、ミミズや糞ころがしのような生物によって土へと再生されないと、乾燥して牧草地に残り、家畜の口に合わない放牧地帯ができます。
発展途上国の多くの地域では、牛の糞を固めて乾燥したものは燃料として使われます。また、糞は回収され、電気や熱を発生させるバイオガスを作りだすために使われます。そのガスはメタンが豊富で、インドやパキスタンの田舎やその他の地域で、再生可能で安定した電気源として使用されます。
牛の糞は、蠅や糞ころがしではないある種の虫を防ぐ性質があるため、床や建物の壁をおおうためにも使用されます。涼しい場所では、牛の糞は、安い保温材として、田舎の家屋の壁をおおうのに使われます。
さらに、手元の材料の調達状況によっては、牛の糞はアドーベ泥レンガの家の建築材料にもなります。
ほとんどの村の家庭ではガスストーブを使っていますが、牛の糞の固まり(パンジャブ語でGuhara と呼ばれる)はいまだに手づくりされています。
機械やトラクターは、雄牛・らくだ・その他の動物に取って代わっています。平均的な村の家で、以前より少ないバッファローや乳牛しか見かけませんが、動物の糞は、肥料としてよりも燃料として必要とされ、使用されます。Guhara は、牛の糞の固まりを保管する方法で、その方法により、燃料として長期間使用されることができるようになります。南インドやバングラデシュでは、牛の糞の固まり(円状の平らで固まりにした燃料)は、円錐状の形でも積まれます。
人里離れて、掃除されて草や他のごみが取り除かれた場所があります。大抵、こういう場所は、家畜囲いまたは糞の堆肥が集められる場所の近くです。
村の女性達は、不要なわらや干し草が糞に加わった混合物から糞の固まりを作ります。3~4日後、牛の糞の固まり(牛の糞)は対になるよう作られて乾燥されます。対になっている2つの牛の塊は互いに後部を支えるように立てられ、これらは列になるように配置されます。牛の糞の固まりを作成してから、5~6カ月間がGuharaを作る期間です。
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